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宮澤医院

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根本原因とデトックス

■はじめに

「根本治療ピラミッド(上図)」において、デトックスは下から2番目に位置付けられていて、その他の構成要素からさまざまな影響を受けています。

例えば、自律神経の緊張があって、それが低血糖によるものである場合、デトックス効果は大幅に低下します。また、炎症があると、胆汁の分泌が減少したり、ミトコンドリア機能が低下したりするだけでありません。炎症を抑えようとする白血球の働きによって、活性酸素が生み出されて抗酸化力が抑制されるので、やはりデトックス効率が大幅に下がります。有機水銀の場合は、その8割が便によって排泄されるのですが、その解毒には ATP 、つまりエネルギーがたくさん必要になります。これは、エネルギーがないとデトックスを十分に行うことができないということです。

以上のような例はいずれも、デトックスをする際には、どんなデトックスサプリメントを使うかより以前に、どういうデトックス環境を整えておくかが重要であるということを意味しています。

このようなことを前提として、ここからは、以下3つの柱で話を進めます。
1つ目は「何を解毒すべきなのか?」、次に「何がどのくらいたまっているかを、どうやって知るのか?」、そして、最後が「どうやって解毒すべきなのか?」の3つです。

■解毒すべきものは何か?

ではまず、「何をデトックスすべきなのか?」ということについて。

デトックスにおいては、そのまま体内に蓄積されていると障害を起こすもの、体内に溜まってデトックスしにくいものに対して、積極的な介入が必要であるというように考えます。特にデトックスしにくいものが入り込んで溜まってしまう脳、ミトコンドリア機能を障害するものに対しては、デトックスをしたほうがよいのです。

▪脳に蓄積して障害を起こすもの…水銀・ヒ素・カビ毒

脳に蓄積して障害を引き起こしやすいのは、水銀やカビ毒です。

アンドリュー・カトラー博士は、その著書『アマルガム・イルネス』で、「水銀を含むアマルガムが、自閉症、発達障害、慢性疲労、線維筋痛症や化学物質過敏症、精神疾患の原因である」と指摘しています。また、デール・プレデセン博士は、『アルツハイマー病 真実と終焉』の中で、「水銀とカビ毒が、アルツハイマー病Ⅲ型を引き起こす」と記しています。

ではなぜ、水銀とカビ毒が、脳に蓄積するのでしょうか。

その理由は、これらが脂溶性だから。血流にのって狭いBBB(血液脳関門)を通過するもの・しやすいものが、脂質が6割を占める脳に入り込んで蓄積する―というわけです。

▪ミトコンドリアを障害するもの…水銀・ヒ素

では、ミトコンドリア機能を障害するものとは何でしょうか。

細胞内でエネルギー生成にかかわるTCAサイクルをとめてしまうものには、フッ素、水銀、ヒ素、アンチモン、アルミニウムなどがあります。中でも、特に水銀とヒ素が悪いと思います。サイクルの中のどの部分が障害されているかは、クエン酸、シスアコニチン酸、イソクエン酸といった物質の量がわかる検査によって把握することができます。

そして、水銀の影響はTCAサイクルだけではなく、電子伝達系にも及びます。電子伝達系の、特に複合体の1番、ここはNADHが関わっているところですが、ここが影響を受けます。実は、水銀は硫黄との親和性が非常に高い物質のため、下図のように本来硫黄同士の間をつなぐはずのSS結合の間に入り込んで、細胞膜のたんぱく質構造を狂わせてしまうのです。

このようにTCAサイクルも電子伝達系もとめてしまう水銀ですが、例えば有機酸検査では29番のクエン酸、28番のアコニチン酸を比べることで、アコニターゼという酵素が働いているかどうか、障害が起こっているかどうかを調べることができます。

一方で、水銀のもつ硫黄との高い親和性を利用すれば、水銀を解毒することもできますから、硫黄をたくさん含んだ食事や、硫黄を含んだサプリメントを使えばよいということなります。

上図はハル・ハギンス博士の著書『本当に怖い歯の詰め物』から抜粋したものですが、水銀中毒で最も多いのは、「説明のつかない疲労感」という症状。実は、この疲労感は、先のようなミトコンドリア機能障害からきていると考えられます。

また、「説明のつかない疲労感」が生じる原因は、他にもあります。

まず1つは、水銀がヘムの合成を妨害し、貧血を引き起こすことで、息切れを生じやすくすること。これが起こっているかどうかは、尿中ポルフィリン検査で判明します。例えば水銀や鉛、カドミウムが蓄積していると、本来いくつかのポルフィリンを経由する反応が途中で止まってしまって、コプロポルフィリンやプレコプロポルフィリンが増えていきます。

もう1つの原因は、水銀がヘモグロビンにくっついてしまって、酸素を抹消の臓器まで循環させることができなくなるということ。これは、鉄との親和性が、酸素よりも水銀のほうが高いことが原因です。そして、ヘモグロビンに一度水銀がくっついてしまうと、もうそこは使い物にならなくなってしまいますから、赤血球の寿命である120日の間ずっと水銀がくっついた赤血球ということになります。

これが問題なのは、ヘモグロビン数が変わらないのに酸素飽和度が低下するために、体はもう少し酸素が必要だと思って造血を行うことで、血液検査上では貧血とはならないこと。水銀中毒の人の場合、ヘモグロビンの数値が高いことが普通ですから、貧血かどうかは酸素飽和度を見ないとわかりません。

そして、ハル・ハギンス博士のデータによれば、アマルガムを除去をすると、酸素飽和度は上昇していきます。

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